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【PCSK9阻害薬登場】家族性高コレステロール血症に大きな期待 [薬]

 コレステロールが気になる方は多いと思うが、痩せていて、運動をしていてもLDLコレステロール値が異常に高いという人がいる。遺伝によってLDLコレステロール値が高くなる病気で、家族性高コレステロール血症(FH)という。北島康介選手のライバル、ダーレオーエン選手が急死したのも、このFHが原因だったとされている。

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 2008年北京オリンピックの男子100メートル平泳ぎで、北島康介選手に次ぐ銀メダルを獲得したノルウェーのアレクサンダー・ダーレオーエン選手。2012年にアメリカで合宿中、心臓発作で亡くなった。26歳だった。ダーレオーエン選手は、急死する1~2カ月前にも心臓発作を起こしていたこと、ダーレオーエン選手の祖父も心臓病により42歳で急死していることなどから、FHだったことが推察される。遺伝が原因なので、生活習慣に関係なくコレステロール値が上昇する。ダーレオーエン選手のように、食事制限をし、厳しい運動をし、体格をキープしていてもLDLコレステロール値は基準から大幅に超える値となる。基準値140mg/dlに対し、FHでは180~400㎎/dl。生まれたときからLDLコレステロール値が高く、男性では20代、女性では30代から心筋梗塞の危険がある。
 一方、FHは認知度が低く、診断が見逃されやすい。日本での診断率は、わずか1%未満とされている。FHの特徴は▽生まれたときからLDLコレステロール値が高い(180㎎/dL以上)▽家族(2親等以内)に心臓病や高コレステロール血症の人がいる▽アキレス腱が厚い、またはひじ、ひざ、まぶたなどに黄色腫がある――など。このうち二つ以上当てはまったらFHと診断される。ちなみに、モナ・リザのモデルになった女性は左目に黄色腫が見られることから、高コレステロール血症だったと推測されている。
 スタチンなどの高コレステロール血症治療薬を使用する。しかし、LDLコレステロール値を管理目標値100㎎/dL以下で維持できる患者は15%程度で、新たな治療薬の開発が望まれていた。そして今年1月、PCSK9阻害薬「レパーサ」という新たな治療薬が厚生労働省で承認され、近く発売の見通しとなっている。薬の値段が非常に高くなるのではと懸念されているが、薬自体は、スタチンと併用によってLDLコレステロール値を最大80%下げるとのことで、大きな期待が寄せられている。
 いずれにしても、20代から心筋梗塞の危険があり、心筋梗塞による死亡率は一般と比べて約10倍高い。早期に診断することが非常に重要となる。前述の特徴のうち、アキレス腱の肥厚に関しては、通常弓なりに反っているアキレス腱が、FHだと逆に膨らんでいるとのことなので、早期発見の一つのポイントになりそうだ。

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