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【配偶者との別れが健康に影響】疾患リスクが増大 [病気]

 既婚者と未婚者の健康面についての研究がいろいろなされている。今回はその中で、結婚を続けている人は、別れた人や独身の人と比べると、いろいろな病気に関するリスクが低いという研究報告がいくつかあるので紹介したい。

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 まずは、がん患者のうち、結婚しているがん患者は、未婚の患者よりも長生きするという研究報告について。カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者らは、2000~2009年にがんと診断されたカリフォルニア州の成人約80万人のデータを解析し、2012年まで追跡調査した。その結果、未婚男性の死亡率は既婚男性と比べて27%高く、未婚女性では死亡率は19%高いことが分かったそうである。ただし、結婚しているほうが精神的な効果によってがんの進行を抑えるというのが理由ではない。結婚しているほうが、未婚の人より経済力が高いから、というのが理由として挙げられている。つまり、夫ががんになって働けなくなっても、妻が働いて治療費が稼げるので、いい治療が受けられるというわけだ。日本のように、国民全員が健康保険に加入しているわけではないという、アメリカの事情の影響が大きいようにも見えるので、日本でも同じ結果になるとはかぎらないだろう。
 もう一つは、配偶者と死別すると、1年以内に不整脈を発症するリスクが増加するという研究報告。これは、デンマークのオーフス大学の科学者らによる研究で、1995~2014年に心房細動と診断された8万8612人のデータを解析し、これを健常者のデータと比較したもの。その結果、不整脈を発症する可能性は、配偶者の死を経験した人で41%高かったそうだ。とくにパートナーの死後8~14日が最も不整脈の発症リスクが高かった。この結果は、男女差はなかったが、年齢では60歳未満が最もリスクが高かった。また、がんなどの病気によって配偶者の死が間近だと予想されていた場合は、リスクの増加は見られなかったが、配偶者が突然死の場合だと不整脈のリスクが増大している。研究者らは、因果関係についてはわからないとしているが、まだ若いときに配偶者を突然失うと、残された人には相当のショックを及ぼすということが示唆されたのではないかと思う。
 そして最後は、離婚すると脳卒中のリスクが高くなるという報告だ。国立がん研究センターの研究グループは、1990年当時40~69歳の既婚の男女約5万人について、約15年間の追跡調査を行った。追跡期間中に脳卒中を発症した人を解析したところ、離婚歴のある人のほうが脳卒中を発症するリスクが高い傾向が確認されたという。この結果に男女差は見られなかった。研究者らは、脳卒中発症リスクが高くなる原因として、配偶者を失うことによる生活習慣や精神状態の変化を挙げている。また、この研究では、子どもの存在(同居している子どもがいるか)についても検証を行っている。検証の結果、離婚して、かつ子どもがいる(引き取った)ほうが、脳卒中の発症リスクが高いという、ちょっとショッキングな結果が示された。配偶者を失ったうえに、「親」としての責任を一人で背負うことになったことが、発症リスクを上げたと見られる。さらに、親と二世帯で同居しているとどうかについても検証しており、男性の場合は同居している親がいるとリスクは減少、逆に女性の場合は同居している親がいないほうがリスクは減少したそうだ。つまり、離婚してしまったら、男性の場合は実家に帰るほうが健康的にはいいということだろう。
 いろいろ紹介したが、これらの結果から一つ言えることは、結婚したら、なるべく一緒にいつづけたほうが健康にとってはいいようである。

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