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【ワクチンが足らない?】インフルエンザ予防接種で異例の通達 [その他]

 そろそろ来週あたりからインフルエンザの予防接種が始まる時期となる。そんななか、厚生労働省が出した通達が、医療現場に混乱をもたらしている。通常、インフルエンザの予防接種は2回接種が推奨されるのだが、厚生労働省は13歳以上には「1回接種」とするよう通達した。いったいなにが起きているのか。

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製造しなおしでワクチンが不足
 厚生労働省が、インフルエンザの予防接種を「13歳以上は1回接種」とした理由は、ずばり「ワクチンが不足しているから」だ。どうして足らなくなったかというと、製造途中でワクチンの種類を変更したからなのだ。
 インフルエンザは、ざっくり分けるとA型、B型、H1型に分けられる。B型はさらに2つのタイプがある。予防接種で打つ1本のインフルエンザワクチンには、これら4種類すべてに対応したものが入っているのだ。このうちA型のワクチンを製造途中で変更したのである。
 少し詳しく言うと、当初A型に対するワクチンには「埼玉株」を使うことが決められていた。しかし、いざ「埼玉株」でワクチンを製造してみたら、「埼玉株」は生産性が悪く、従来の3分の1しか作れないことがわかった。そこで急遽、昨年と同じ「香港株」に切り替えたというわけだ。
 さらに詳しくいうと、インフルエンザは毎年流行するタイプが異なる。同じA型でも香港型やビクトリア型、埼玉型などいろいろある。これらの中から次のシーズンに流行するタイプを国立感染症研究所が予測して、インフルエンザワクチンの中身を決めている。ワクチン製造会社は、国立感染症研究所が決めたインフルエンザワクチンを製造するのだ。日本にはワクチン製造会社は4社あるが、インフルエンザワクチンは4社とも同じものとなる。

現状でワクチンがほとんどない
 国立感染症研究所がインフルエンザワクチンの中身を決めるのが4月頃。冬に流行するインフルエンザなのに、どうしてこんなに早く決めるのかというと、ワクチン製造には時間がかかるためだ。しかもできたものを国が検査するので、どうしても5カ月~6カ月は必要なのだ。
 今回は「埼玉株」を使用すると最初に決めた。なぜ「埼玉株」にしたかというと、予防効果が高いことが期待されたからだ。インフルエンザは「予防接種しても効かない」という風評がある。実際、風評ではなく「効かない」ことが実証されてもいる。それは、インフルエンザワクチンはニワトリの卵で製造しているからで、卵の中でワクチンが変化していることがわかっている。しかし、「埼玉株」は卵で製造しても予防効果が高いことが、研究で示されたのだ。国立感染症研究所は、汚名返上とばかりに「埼玉株」を選定したわけだ。しかし、生産性が悪かったというオチが付き、急遽作り直すハメになったのである。
 通常だとインフルエンザワクチンは約2700万本製造している。厚生労働省の発表だと今回は2500万本程度に落ち込む予定だ。そんなに減ってないように思われるが、医療現場ではそんな感じではないようで「現状でワクチンの現物がほとんどない状況」だという。12月末になっても、予防接種を希望する人全員には行き渡らないことが懸念されている。
 しかも、悪いことは続くもので、今シーズンのインフルエンザは流行時期が早そうなのだ。学校の学年・学級閉鎖が、すでに昨年よりも上回っている状況だ。さらに今シーズンに流行しそうなのがH1型。このH1型は、2009年~2010年に大流行した「新型インフルエンザ」のこと。H1型はワクチンの効果が高いので予防接種が推奨されるのだが、そういうときに限ってワクチン不足。とりあえず12歳以下の子どもは2回接種できるので、子どもにはなるべく予防接種を受けさせ、大人は手洗いやうがいを例年以上にしっかり行うことが推奨される。
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