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【VRで治療?】広場恐怖症の症状が改善 [病気]

 VR治療というのをご存じだろうか。VRとは、現在注目を集めている「バーチャル・リアリティー」のことだ。家電量販店などでもよく見られるようになった「VRゴーグル」を用いて、治療に役立てようという試みが世界各地で行われている。そして先日、世界精神医学会議で、VR治療により広場恐怖症の症状が改善したとの研究結果が報告された。

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恐い状況をVRで再現
 恐怖症は不安障害(不安症)の一つで、特定の対象について恐怖が過剰に表れる症状を指す。高所恐怖、閉所恐怖などさまざまなものがある。広場恐怖症は、「広場」に対して恐怖が過剰に表れるという意味ではなく、特定の状況に対して恐怖が過剰に発症する病気だ。駐車場などの広い空間にいることで起こることもあるが、他にも「長時間家を離れる」「バスや飛行機に乗る」「映画館などの閉鎖された空間」「人ごみの中」などで強い恐怖を起こす場合もある。広場恐怖症患者の約30~50%は、パニック障害(パニック症)を併発しているとされていて、昔にパニック障害を起こした場所や同じ状況で強い恐怖を覚えるのも広場恐怖症の一つとされている。
 研究報告では、広場恐怖症とされた男女15名に対し、恐怖が過剰に表れる状況をVRで再現した。つまり、飛行機に乗ると恐怖症状が出る患者には、飛行機に乗る体験をVRで疑似体験させるわけだ。このVR療法により、広場恐怖症の症状が50%改善したとのこと。

エクスポージャー法とは
 このように、あえて怖い状況にさらして治療する方法を「エクスポージャー法」と呼んでいる。「繰り返し体験させれば恐怖は慣れる」という心理を活用した治療法で、昔から行われいた治療法なのだ。しかし、先に例にあげた飛行機に乗ると恐怖症状が出る患者に対して、実際に飛行機に繰り返し載せるというのは現実的には難しい。そこでVRが大いに活用できるというわけだ。今回の広場恐怖症だけでなく、高所恐怖症や閉所恐怖症、アメリカでは高所恐怖症に続き2番目に多いとされる動物恐怖症などにも応用が可能だと考えられており、いろいろな研究が行われている。
 さらに恐怖症だけでなく「痛み」に関する研究もVRで行われている。病院に行って「治療しますね」と先生に言われて、VRゴーグルが出てくるというのも、そんなに遠い将来ではなさそうである。

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