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【日本初の膵臓がん再生医療薬】樹状細胞ワクチン療法が治験開始 [薬]

 がんの治療で注目を集めている「免疫療法」。「オプジーボ」や「キイトルーダ」というがん免疫療法薬が発売され、がんの治療効果が飛躍的に向上した。そして、がんの中でも最も治りにくいとされる「膵臓がん」に対すす免疫療法の臨床試験が、3月にも開始される見込みだ。

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 国立がん研究センターは2月16日、各種がんの「生存率」のデータを公開した。16のがん腫全体で10年生存率が58.5%、5年生存率が69.4%となった。多くのがんでは、がん患者が治療後に5年間生存したら、そのがんは治癒したと考えてもいいとされている。その5年生存率が約7割となり、がんの多くは治る病気になってきた。しかし、がんの中でも取り残されているがん腫がある。それは「膵臓がん」。膵臓がんの5年生存率は7.1%、10年生存率は5.1%と極めて低いままなとなっている。
 この膵臓がんに対し、がん免疫療法の一つである樹状細胞ワクチン療法の研究開発が進んでいる。すでに治療費が全額自己負担の自由診療では、2000例を超える実績を積み重ねていて、生存期間の延長といった良好な成績が得られている。そして、この樹状細胞ワクチン療法を製品化すべく、3月にも治験登録が開始される見通しなのだ。
 免疫療法というのは、薬でがん細胞に目印をつけ、体が備えている免疫の力でがんを退治しようという治療法。免疫で治療するため、副作用が少ないのも大きな特徴となっている。樹状細胞というのは、がん細胞に付けられた目印を免疫細胞に教え、攻撃を促す細胞。この樹状細胞は、再生医療技術によって培養する。実現すれば、この治療薬は日本初の膵臓がんに対する再生医療等製品となるのだ。
 樹状細胞ワクチン療法の製品化を進めているのは「テラ」というベンチャー企業。治験は和歌山県立医科大学などにより行われる予定だ。通常、治験は第1相から第3相までの3段階で行われるのだが、この樹状細胞ワクチン療法に関しては第1相から第3相までをいっぺんにやってしまう計画で、これは医薬品の承認審査を行う医薬品医療機器総合機構(PMDA)もこれを了承しているとのこと。それだけ、開発が期待されている薬だともいえる。テラの矢﨑雄一郎社長は2022年の薬事承認申請を目指すとしており、実現すれば2023年にも上市されることになる。
 これまで治療法が限られ、半分の患者が半年しか生きられなかった膵臓がん。今回の樹状細胞ワクチン療法により、生存期間の1~2年の延長が期待できるようになる。

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