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【貧血で難聴に】炎症性腸疾患も関連 [病気]

 音が聞こえにくい、あるいは言葉が聞き取りにくくなる「難聴」。この難聴が貧血や炎症性腸疾患などと関連があるという研究結果が報告されたので紹介したい。

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 WHO(世界保健機関)の推計によると、65歳以上の3分の1が難聴を抱えており、世界中で3億6000万人の難聴者がいるという。日本の難聴高齢者は1500万人超だという報告もある。しかし、多くの病気に「難聴」という症状が表れるため、難聴に対する効果的な診断法や治療法はいまだ確立されていないのだ。こうした状況のなか、難聴の早期発見や治療法の確立に期待が持てる新しい研究結果が発表された。
 アメリカのペンシルベニア州立大学医学部が実施した研究によると、鉄欠乏性貧血と難聴とに相関関係があることが示唆された。難聴は、耳や聴神経のどこかに障害があるために聞こえにくくなっている状態のことだが、外耳(耳穴など)から中耳(鼓膜など)に障害があるものを「伝音性難聴」、内耳(蝸牛など)から聴神経にかけて障害があるものを「感音性難聴」という。そして、感音系、伝音系の両方に障害があるのが「混合性難聴」だ。研究者らは、21~90歳の30万5339人のデータを解析したところ、鉄欠乏性貧血は感音難聴と混合性難聴と相関関係があることが分かった。つまり、鉄欠乏性貧血の人は、感音難聴もしくは混合性難聴になりやすいということが確認されたというわけだ。
 また、エルサレムのヘブライ大学の研究者らによると、感音性難聴は炎症性腸疾患の症状の一つである可能性があることがわかった。安倍晋三首相が罹患したことで有名になった潰瘍性大腸炎は、炎症性腸疾患の代表疾患である。炎症性腸疾患患者76名(平均年齢36歳)に聴力検査を行ったところ、炎症性腸疾患患者の30%に難聴(軽度から重症)が見られたという。うち、93%が感音性難聴だった。
 難聴はコミュニケーション上の困難だけでなく、日常生活や社会参加などにも広く影響を及ぼす。聴力を補うものとして補聴器は最も有望な方法なのだが、日本における補聴器使用率は 14%程度だという。これは、欧米での使用率の半分とのことだ。全米高齢者問題協議会の研究によると、補聴器を使用していない人は、悲しみや気持ちの落ち込みを示す傾向が、補聴器を使用している人に比べて50%高いことが示されている。また、気持ちの落ち込みや不安を軽減することで、認知機能が改善されるという報告もある。
 難聴は、遺伝性のものや特発性(原因不明)のものも多いのだが、中耳炎で起こることもあるし、ストレスが原因になることもある。抗結核薬やアスピリンなどの服用による副作用で生じることもあるのだ。ちなみに、腰痛や関節痛に使用される「コンドロイチン」は、感応性難聴に効果があるとされているぞ。 


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