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【DHAがてんかん発作を抑制】女性ホルモンを活性化 [病気]

 魚油がさまざまな疾患の予防に役立ち、健康にもいいということが知られているが、また一つ新たな効果が確認されたぞ。魚油成分であるDHAを摂取することで「てんかん」発作を抑制することができるとのこと。

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 報告したのは広島大学の研究者らで、マウスを使った研究で明らかになった。マウスにDHAを添加したエサを1カ月間与えたところ、脳内で女性ホルモンの一種である「エストラジオール」の量が大きく増加していたほか、てんかんに伴うけいれん発作が抑制されることが確認された。エストラジオールは、神経疾患や有害化学物質から脳を守るはたらきをすることから、エストラジオールの増加がてんかん発作を抑制したと考えられるとのことだ。
 エストラジオールは主に卵巣で作られ、第二次性徴(思春期の始まり)や排卵制御に関わることが知られている。最近では脳でも作られることが明らかとなっていて、記憶・学習や神経保護に関わることが報告されている。てんかんは、脳内の神経細胞間の電気信号の異常によって発作が起こる病気なので、今回の研究では、神経保護効果を持つエストラジオールが、てんかん発作を抑えることが確認されたことになる。ちなみに、アルツハイマー型認知症も、閉経後の女性は男性よりも多く発症することから、女性ホルモンの減少が関与していると考えられている。いずれにしても、今回の研究によって、DHA摂取によるエストラジオール増加のメカニズムが明らかになり、他の神経疾患への応用が期待できるとして注目されている。

「寝てるだけ」に見えるてんかん発作
 国内に100万人いるとも推計されているてんかん患者は、大きく2種類に分けられる。脳卒中などによってできた「脳の傷」が原因となるてんかんと、加齢に伴うてんかんだ。両者の違いは、てんかんに伴う発作の表れ方で、脳の傷が原因の発作は、けいれんや意識障害が多い。我々が通常想像するてんかん発作は、こちらのタイプだ。一方、加齢に伴うてんかんの発作の症状は「ぼーっとする」である。
 筆者は先日、朝霞台中央総合病院・脳卒中・てんかんセンターの久保田有一先生のセミナーに参加したが、一般の人が加齢に伴うてんかん発作の症状に気づくことは、はっきり言って無理だろう。セミナーでは、てんかん発作を起こした患者の動画が放映されたが(患者了承済みとのこと)、傍から見たら「ただ寝ているだけ(目は開いている)」「静かに本を読んでいるだけ」に見えるのだ。本を読んでいるだけに見えても、実際はてんかん発作を起こし、本人は意識を失っている。発作時間は1~2分なので、本人でさえ意識がなかったことに気がつかないのだ。医者でも見分けがつかず、うつや認知症と誤診されているてんかん患者も少なくないそうである。
 ただ、傍から見た限りではてんかんとわからない患者でも、脳波を見れば確定診断できるとのことで、久保田医師はちょっとでも疑わしい場合は、脳波モニタリングをすることを勧めている(脳波モニタリングができる病院は限られるのだが)。意識障害により交通事故、もしくは事故になりかけたことがある人はもちろん、呼びかけに反応しない、無意識に口をモグモグさせていたりする場合は、てんかんが疑われるので、最寄りのてんかんセンターに相談してみよう。ちなみに、加齢に伴うてんかんは、50代を境に発症率が上がってくるとのこと。
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