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【研究報告】クラシックバレエが思春期側弯症に関連 [病気]

 慶應義塾大学等の研究部ループが、思春期特発性側弯症と生活習慣やとスポーツの関連性を調査したところ、クラシックバレエが側弯症と関連している可能性があることがわかったとのこと。

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 側弯症(そくわんしょう)は、背骨がSの字様に曲がる病気。慶應義塾大学の研究により、いくつかの遺伝子が関わっていることが示されたが、いまだに多くの患者が、原因不明の「特発性側弯症」と診断されている。特発性側弯症の中でも最も発症頻度が高いのが、思春期に発症する思春期特発性側弯症で、日本人の約2%に見られる。原因は不明なのだが、近年では生活習慣や運動などが病気の発症や進行に関与していると考えられていて、世界中で研究が進められているのだ。
 そこで慶應義塾大学はいくつかの医療機関と共同で、側弯症に関連する生活因子などの解明に乗り出した。小中学校では、学校保健法により脊椎(背骨)の検診が義務付けられている。これは側弯症の検診で、左右の肩の高さが同じかどうか、前屈して肩甲骨あるいは肋骨の出っ張りがないかなどを見て判断している。そして、側弯症の疑いのある学生は、二次検診としてX線検査を行う。慶應義塾大学の研究では、二次検診を受診した女子中学生2600名を対象にアンケート調査を実施した。
 その結果、クラシックバレエと側弯とに関連性が示唆されたとのこと。クラシックバレエをしたことがない中学生と比較して、したことがある中学生は側弯のリスクが1.3倍高かった。また、経験年数や練習頻度についても検証したところ、経験年数が増加するほど、練習頻度が増加するほど、リスクも増加することが判明したという。一方、バスケットボールやバトミントンをしている子では、リスクが低下していた。
 生活習慣に関しては、、通学鞄の種類(肩掛け、リュック)、鞄の重さ、楽器の演奏、勉強時間、寝る姿勢、睡眠時間、ベッドかふとんかかなどと側弯症は、関連性が示されなかった。姿勢が悪いと側弯症になると考えられがちだが、姿勢が関係しているということは今回の検討も含めて実証されなかった。
 また、これまでの研究では、高齢出産が側弯と関連しているとの報告が散見されたが、今回の研究からは関連性は示されなかった。一方、従来から「やせ型」の子どものリスクが高いと報告されてきたが、今回の検討でも同様の結果が示され、摂食障害、過剰な運動、低骨塩量、ホルモンバランス異常との関連性が考えられるとしている。
 なお、今回の研究からは、クラシックバレエとの関連性が示唆されたわけだが、バレエをすることが側弯につながったのか、それとも側弯になるようなやせ形の子がバレエを続けているのかといったことは不明とのこと。
 また、バスケットボールやバトミントンをしている子でリスクの低減が見られたが、運動療法によって側弯症が治る、または進行が止まるということは実証されていない。側弯症の治療として、実証されているのは装具療法と手術だけ。ちなみに、軽度の側彎症では20%は何もしなくても改善し、60%は進行しない。装具療法を行うのは中等度の側弯症の場合で、装具療法をしないで重度化してしまうと、手術が必要となる。ただ、今は側彎検診が行われているおかげで、重度はほとんど見られないとのことだ。

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タグ:側弯症
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