SSブログ

【黄砂はキケン?】翌日に心筋梗塞が増加

 モンゴルや中国の砂漠地帯から飛来する黄砂。この黄砂が観測された翌日に、急性心筋梗塞を発症するリスクが高くなるという研究が報告されたぞ。
スポンサードリンク






 報告したのは熊本大学の研究者ら。熊本県内で発生した急性心筋梗塞患者3713人を対象として、心筋梗塞と黄砂の関連を解析したところ、黄砂が観測された翌日に急性心筋梗塞を発症するリスクが46%高まることが示されたとのこと。
 黄砂は、モンゴルや中国の砂漠地帯から、偏西風にのって日本にやってくる。その経路に、中国の工業地帯があることから、黄砂にはPM2.5などの汚染物質が含まれている。今回の調査は、PM2.5などの大気汚染物質などの影響を排除して解析を行ったという。つまり、黄砂そのものの影響を解析したものなのだ。
 黄砂が観測された翌日に急性心筋梗塞を起こした患者の背景を調べたところ、とくに「75歳以上の高齢者」「男性」「高血圧」「糖尿病」「非喫煙者」「慢性腎臓病」のいずれかだった人が、心筋梗塞を起こすリスクが高かったとのこと。とくに「慢性腎臓病」の人のリスクが高く、さらにこれらの要素を複数持っている人ほどリスクが高かったという。
 黄砂による健康被害の研究は他にもある。国立環境研究所の研究者らは、長崎市における黄砂飛来と救急搬送の関連を調査したところ、黄砂が観測された日は救急搬送数が多いことを報告している。岡山大学の研究者らは、黄砂など浮遊粒子状物質(SPM)に短時間さらされるだけで脳卒中のリスクを増加させる可能性があると指摘している。
 一方、台北での研究では、黄砂観測日と非観測日で、心血管疾患による入院・受診に差は見られなかったとしている。ただし、PM10濃度が高かい黄砂観測日では虚血性心疾患や脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の受診者数が上昇するという報告もある。今回の熊本大学の研究は黄砂観測日と非観測日で解析しているため、研究者らは黄砂濃度との関連を検討する必要があるとしている。なお、黄砂の主な発生源であるゴビ砂漠のあるモンゴルではどうかというと、研究報告は見当たらなかった。
 黄砂やPM2.5は、ぜんそくなどの呼吸器疾患を持っている人や、アレルギーを持っている人にとって重要な情報だったが、他にも健康に与える影響は大きいのかもしれない。とくに高齢者や高血圧、慢性腎臓病などを持っている人は、気を付けることに越したことはないだろう。気象庁では黄砂予想を出しているし、環境省の「そらまめ君」ではSPMやPM2.5などの濃度測定値を公表しているので要チェックだ。「そらまめ君」の速報値を見ることのできる大気汚染予報アプリもあるぞ。
・そらまめ君 http://soramame.taiki.go.jp/

スポンサーリンク


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。