【マラリアの新薬が登場】小児用と根治薬が発売 [薬]
小児用のマラリア薬「マラロン小児用配合錠」が6月27日に発売された。6月17日にはマラリアの根治薬「プリマキン錠」も発売されており、効果の高いマラリア薬が日本でも使用できるようになった。
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蚊が媒介する病気といえば、デング熱やジカ熱が最近話題だが、マラリアも蚊が媒介する代表的な感染症である。マラリアは、エイズ、結核とならぶ世界三大感染症の一つなのだ。世界での年間感染者数は1.5~3.0億人、死亡者は24~64万人いると推定されている。日本では自然発生はなく、海外で感染した患者が年間100名前後出るのみだが、適切に治療できる医療機関が限られているため、熱帯熱マラリアの重症化による死亡例も散見されている。さらに、近年ではアフリカや南米アマゾン等の高度マラリア流行地を訪れる日本人も増えており、マラリアの感染リスクは増えつつあるのだ。
マラリアには三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア、熱帯熱マラリアの4種類がある。中でも熱帯熱マラリアは、短期間で重症マラリアの状態に陥り、死亡に至る可能性がある。マラリアに免疫がない日本人は、とくに早期に適切な治療を受けることが重要なのだ。その一方で、国内にはこれまで3種類のマラリア治療薬があったが、副作用や薬剤耐性の問題などがあって、十分なマラリア治療薬がないのが現状だった。そして、「マラロン小児用配合錠」と「プリマキン錠」がこの度発売されたというわけだ。
「マラロン」は、マラリアに対する治療及び予防薬として、世界保健機構(WHO)などが推奨しており、海外では標準薬として位置づけられている。日本では、「マラロン」の成人用が2013年2月に発売されていたが、小児用も必要だろうということで、この6月に発売された。小児用剤では、体重5kg以上11kg未満のマラリア治療、及び体重11kg以上40kg以下のマラリア予防として使用される。体重11㎏以上の小児のマラリア治療、体重40㎏以上の小児のマラリア予防には成人用剤が使用される。
「プリマキン錠」は、4種類のマラリアのうち、三日熱マラリアと卵形マラリアを対象とした治療薬。この薬は、根治用というところが特徴だ。「マラロン」等での治療では、発熱といった急性期の臨床症状は改善できるが、1ヵ月~数ヵ月、時には1年くらい経って再発することがある。「マラロン」等は赤血球中のマラリア原虫を殺滅するのだが、原虫の休眠体(ヒプノゾイト)が肝細胞中に残存してしまうのだ。「プリマキン錠」は、この原虫の休眠体を殺滅し、完全治癒を目指す薬なのだ。
日本はこれまで、マラリア予防に関して後進国と位置づけられていた。国際化の時代に、海外渡航者の健康を守る体制ができていないと非難されることもあった。こららの薬剤が発売され、ようやく日本もマラリアに対する標準的な体制が取れることとなったというわけだ。
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蚊が媒介する病気といえば、デング熱やジカ熱が最近話題だが、マラリアも蚊が媒介する代表的な感染症である。マラリアは、エイズ、結核とならぶ世界三大感染症の一つなのだ。世界での年間感染者数は1.5~3.0億人、死亡者は24~64万人いると推定されている。日本では自然発生はなく、海外で感染した患者が年間100名前後出るのみだが、適切に治療できる医療機関が限られているため、熱帯熱マラリアの重症化による死亡例も散見されている。さらに、近年ではアフリカや南米アマゾン等の高度マラリア流行地を訪れる日本人も増えており、マラリアの感染リスクは増えつつあるのだ。
マラリアには三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア、熱帯熱マラリアの4種類がある。中でも熱帯熱マラリアは、短期間で重症マラリアの状態に陥り、死亡に至る可能性がある。マラリアに免疫がない日本人は、とくに早期に適切な治療を受けることが重要なのだ。その一方で、国内にはこれまで3種類のマラリア治療薬があったが、副作用や薬剤耐性の問題などがあって、十分なマラリア治療薬がないのが現状だった。そして、「マラロン小児用配合錠」と「プリマキン錠」がこの度発売されたというわけだ。
「マラロン」は、マラリアに対する治療及び予防薬として、世界保健機構(WHO)などが推奨しており、海外では標準薬として位置づけられている。日本では、「マラロン」の成人用が2013年2月に発売されていたが、小児用も必要だろうということで、この6月に発売された。小児用剤では、体重5kg以上11kg未満のマラリア治療、及び体重11kg以上40kg以下のマラリア予防として使用される。体重11㎏以上の小児のマラリア治療、体重40㎏以上の小児のマラリア予防には成人用剤が使用される。
「プリマキン錠」は、4種類のマラリアのうち、三日熱マラリアと卵形マラリアを対象とした治療薬。この薬は、根治用というところが特徴だ。「マラロン」等での治療では、発熱といった急性期の臨床症状は改善できるが、1ヵ月~数ヵ月、時には1年くらい経って再発することがある。「マラロン」等は赤血球中のマラリア原虫を殺滅するのだが、原虫の休眠体(ヒプノゾイト)が肝細胞中に残存してしまうのだ。「プリマキン錠」は、この原虫の休眠体を殺滅し、完全治癒を目指す薬なのだ。
日本はこれまで、マラリア予防に関して後進国と位置づけられていた。国際化の時代に、海外渡航者の健康を守る体制ができていないと非難されることもあった。こららの薬剤が発売され、ようやく日本もマラリアに対する標準的な体制が取れることとなったというわけだ。
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