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【古い睡眠薬は要注意】過量服薬でICU行きに [薬]

 うつ病などにより精神科や心療内科を受診している患者が、医師から処方された向精神薬(抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬)を、指示された服薬量よりも過量に摂取する過量服薬が問題になっている。この過量服薬で入院した患者について調査したところ、古い睡眠薬を飲みすぎた患者の経過が良くないということがわかった。

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 医療経済研究機構の研究者らが行った研究で、過量服薬が原因で東京医科歯科大学救命救急センターに入院した676名について、過量服薬した薬の種類と臨床経過の関連を調査。その結果、睡眠薬の「ベゲタミン配合錠」を過量服薬した患者の経過がとくに不良だったことがわかった。「ベゲタミン配合錠」は、クロルプロマジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、フェノバルビタールの3種類の薬が配合された睡眠薬だ。
 過量服薬した薬の種類で最も多かったのは、「フルニトラゼパム」含有の不眠症治療薬で、「エチゾラム」含有の精神安定剤、「ブロチゾラム」含有の睡眠導入剤と続いた。「ベゲタミン錠」は5番目に多い薬だったが、入院した患者のうち、4日以上ICU(集中治療室)に入室した患者が20%、誤嚥性肺炎を発症した患者が29%いて、他の薬を過量服薬した患者よりも突出して経過が不良だった。
 また、過量服薬した薬が抗不安・睡眠薬だった581名のうち、睡眠薬が古い睡眠薬だったのは155名(27%)いた。さらに、古い睡眠薬を使用した患者では、ICU入室の期間が長く、誤嚥性肺炎の発生率が高いことがわかった。
 古い睡眠薬というのは、バルビツール酸系睡眠薬と非バルビツール酸系睡眠薬のこと。1950年くらいに使われていた薬だ。「ベゲタミン配合錠」に配合されていたフェノバルビタールのほか、ペントバルビタールカルシウム含有の「ラボナ錠」、アモバルビタール含有の「イソミタール」などがこれに当たる。これら古い睡眠薬は依存性が強いため、 現在の不眠治療には用いられることはほとんどないはずなのだが、調査を行った医療経済研究機構では、古い睡眠薬の処方の在り方に見直しが求められると指摘している。とくに「ベゲタミン」は自殺に使用されることが多い薬として注意喚起されているのだ。なお、「ベゲタミン」に関しては、日本精神神経学会が販売中止を要望。製造発売元のシオノギ製薬は要望を受け入れ、2016年12月に販売が中止されることとなった。
 また、9月10日から16日は自殺予防週間。厚生労働省では自殺者を少しでも減らすため、向精神薬の投与日数や投与量に注意するよう呼びかけている。とくに精神疾患治療中に治療薬として処方された向精神薬を過量服薬して自殺するケースが青少年に多い。周囲に古い睡眠薬を使用している友人等がいたら薬を変更するなどの注意が必要かもしれない。

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