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【抗生物質は善玉菌も殺菌】腸内細菌の回復には1年以上 [薬]

 フィンランドのヘルシンキ大学では、2~7歳の子どもを対象に、抗生物質と腸内細菌に関する研究を実施。その結果、抗生物質使用後は腸内細菌に異常が認められたという。つまり、抗生物質が腸内細菌の善玉菌も殺菌してしまったことが確認されたというわけだ。

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 研究では、腸内細菌にとってマクロライド系抗生物質がとくに有害だとしている。マクロライド系抗生物質には「クラリスロマイシン」や「アジスロマイシン」など当たる。そういえば、これらの薬には下痢や腹痛などの副作用が多く発生するのだ。さらに、研究では「抗生物質治療後の腸内細菌叢の回復には1年以上かかる」ともコメントしている。また、マクロライド系抗生物質は細菌に幅広く使用できるので、多用される傾向がある。そのため、耐性菌も発生しやすく、適正な使用が求められている。
 子どもに抗生物質を使用するシーンとして考えられるのは、風邪や中耳炎だろう。しかし、日本小児科学会のガイドラインでは、風邪・中耳炎とも抗生物質の投与は推奨していない。とくに風邪に関しては「原則投与しない」としている。抗生物質は抗菌剤ともいうように細菌に効くものだから、風邪の主な原因であるウイルスには効果がない。だから、風邪に抗生物質を投与しても意味なしというわけだ。中耳炎に関しても自然治癒する傾向が強いため、2~3日様子を見て改善が見られなかったときに抗生物質の使用を考えるとしている。
 抗生物質を何度も投与してしまうと、子どもの鼻や喉にいる菌が耐性菌となってしまい、重症化したときの治療に困難をきたす。かえって子どもを危険にさらすことになるのだ。加えて、ヘルシンキ大学の研究のように、腸内細菌にも悪い影響を与えるということが確認された。とはいっても、風邪や中耳炎で抗生物質を処方する病院は今でもかなり多いし、患者側ももらって安心するところもある。要は「多用」がいけないのであるから、「予防」が最良の方法だ。ヘルシンキ大学の研究では、腸内細菌のバランスが正常に戻るのは1年以上ということなので、抗生物質を飲むのは1年に1回以下に抑えることを目指す。となると、月並みだが普段からの手洗いとうがい、そして以前紹介した亜鉛サプリなどを上手に活用するといいのでは。

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