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【4月15日はポンペ病の日】コールセンター開設で病院紹介 [病気]

 4月15日は「国際ポンペ病の日」。ポンペ病は、かわいらしい疾患名とは裏腹に、生後数カ月で発症した場合は、無治療のままだと2年以内に死に至る恐ろしい病気である。このポンペ病について、診断や治療が可能な専門医療機関を紹介するコールセンターが、4月15日から開設される。
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あらゆる世代で発症
 私たちが普段食べているものは「脂質」「糖質」「タンパク質」という栄養素に分けられる。糖質はブドウ糖になって、体を動かすエネルギー源となるのだが、エネルギーとして使われなかったブドウ糖は「グリコーゲン」(糖原)というものになって、体内に貯蓄される。そして、またエネルギーが必要なときにブドウ糖になる。このブドウ糖になったり、グリコーゲンになったりするときに「酵素」というタンパク質が作用するのだが、グリコーゲンの代謝に関与する酵素が欠如しているために発症する疾患を「糖原病」という。この糖原病には13タイプあって、そのうちの一つが「ポンペ病」。グリコーゲンを代謝する酵素が欠如しているので、体内にグリコーゲンがたまり続けるという病気である。
 ポンペ病は「乳児型」と「遅発型」に分類される。生後数カ月で発症するのが「乳児型」で、あらゆる年代で発症するのが「遅発型」だ。遅発型は、小児期に発症する「小児型」、成人以降に発症する「成人型」にも分けれらる。このうち、乳児型は呼吸障害、心筋障害がみられ、無治療の場合は2年以内に死に至る恐ろしい病気だ。遅発型の主な症状には、筋力低下(主に下腿部)、心肥大、呼吸機能低下などがみられ、症状が進行すると車椅子や人工呼吸管理が必要となってくる。

86例が治療中
 ポンペ病は、厚生労働省が指定している難病で、国立精神・神経医療研究センター病院名誉院長の埜中征哉先生の講演によると、現在国内では86例のポンペ病患者が治療を行っているという。国内での発症頻度は10万分の0.1~0.3と推定されているが、台湾の10万分の9.5と比べると約10分の1の発症頻度となる。このことから埜中先生は、ポンペ病と診断がつかずに見逃されている可能性があると指摘している。
 乳児型では2年以内に死亡する恐れのある難病だが、「マイオザイム」という治療薬がある。早期に「マイオザイム」を使用することはとても有効で、埜中先生によると、台湾では乳児型ポンペ病による死亡例は「ゼロ」とのこと。というのは、台湾では全ての新生児に対してポンペ病の検査を行っているのだ。埜中先生は、このことからポンペ病の早期発見・早期治療がとても重要だと指摘している。ちなみに、日本では国立成育医療研究センターと熊本県で、新生児全例に対しポンペ病検査を実施しているとのこと。

診断は簡単
 ポンペ病は難病なので、診断が難しいとの印象を受けるが、埜中先生によると、診断は血液検査で簡単につくとのこと。ただし遅発型では、症状が筋ジストロフィー症と似ているため、疾患的に認知度の高い筋ジストロフィー症と誤診されることが少なくないという。台湾の例に見るように、早期発見がとても重要な病気なので、「ポンペ病」という疾患を啓発することが、まずは必要となってくる。
 そこで「マイオザイム」を製造販売しているサノフィでは、国際ポンペ病の日である4月15日から、期間限定ではあるが、ポンペ病に関するコールセンターを開設することとした。コールセンターでは、メディカルコミュニケーターが、ポンペ病の診断や治療が可能な専門医療機関を紹介してくれる。埜中先生は▽筋ジストロフィー症と診断された人▽筋疾患(筋肉の病気)でまだ診断がつていない人▽血液検査でクレアチンキナーゼ(CK)が高い人――は、念のため診断を受けることを推奨している。
・ポンペ病医療機関紹介コールセンター
電話番号:0120-740-540
開設期間:2017年4月15日(土)~5月12日(金)
受付時間:平日(月曜~金曜)9時~17時、土日祝日休み
ただし4月15日(土)・16日(日)は受付け

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