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【失神は循環器内科へ】不整脈が原因の場合も [病気]

 新年度・新学期を迎え、社会人も学生も、偉い人の話を長い時間聞くという機会が多いのではないだろうか。なかには貧血で倒れてしまう人もいるかもしれない。意識を失って倒れてしまうことを「失神」というが、過去にも何度か失神を経験している人は、それは貧血が原因ではないかもしれない。

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原因不明が10%
 失神というのは一過性の意識消失で、意識を失っている時間は1分以内と短い。日本では年間80万人が失神で医療機関を受診しているという。この「失神」について、産業医科大学・不整脈先端治療学の安倍治彦教授のセミナーを拝聴したことがあるので交えながら紹介したい。
 まず、失神がなぜ起きるかというと、脳全体の血流が低下したことが原因だ。すなわち、血圧低下あるいは心拍の異常で生じるのが失神ということになる。ちなみに、脳の一部の血流が低下した程度では失神は起きないという。
 少し専門的に言うと、失神は▽反射性失神▽起立性低血圧▽心原性失神――に分けられる。比率は「反射性失神」60%、「起立性低血圧」15%、「心原性失神」15%で、「原因不明」が10%ある。最も割合の高い反射性失神は、神経調節性失神、血管迷走神経性失神などとも言われる。簡単に言えば、「ある動作」が引き金となり、交感神経の活動が低下するなどして失神に至るものをいう。交感神経は血管を収縮させたり、心臓の動きを活発化させたりする神経なので、この活動が低下すれば、低血圧や心拍数の減少(徐脈)が起き、脳全体の血流が低下して失神に至ることになる。「ある動作」としては▽長時間の起立▽運動▽排尿・排便▽物を飲み込む(嚥下)――などがある。なので、朝礼中に倒れる失神は「反射性失神」にあたる。では「起立性失神」はというと、立ち上がった直後に起こる失神のこと。いわゆる「立ちくらみ」の症状が強く出たものともいえるだろう。「心原性失神」は不整脈などが原因だ。

心原性失神はキケン
 この中で、最も命の危険が高いのは「心原性失神」だ。歩行中や階段の上り下り、仕事の作業中、臥床時(床につく)に失神した場合は、「心原性失神」が強く疑われる。安倍教授によると、心原性失神では失神中は必ず「目を閉じている」そう。他の失神では「目があいている(白目をむくなど)」ことが多いとのことだ。反射性失神は、顔にケガすることはあっても、命の危険にさらされることはまずない。しかし、失神が起きたとき、それがどの失神なのかを判別するのは医療機関でも誤診率が高いという。低血圧による失神だと思っていたら、心臓突然死を起こすという可能性もなくはないのだ。

失神は誤診率が高い
 失神が起きたとき、それがどの失神なのかを特定する必要があるのは、失神の種類によって治療法が異なるため。そして、失神の種類を特定するには、心電計が有用だと安倍教授は述べる。現在は、小指サイズの皮下挿入型心電計も発売されており、最長3年間の持続的な心電図モニタリングが可能になっているとのこと。繰り返し失神をしたことがある人(道路交通法では5年間に2回以上を再発性の失神と定義している)で、失神の分類がわからない人は、心電計を装着して特定させてしまうと安心だ。あと、失神は「血圧の低下」が原因なので、病院に行くときは「循環器内科」を受診するといいぞ。

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