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【研究報告】ストレスが胃がんを進行させることが判明 [病気]

 強いストレスを感じて「胃がキリキリ痛い」という経験をした人も多いだろう。こうしたストレスが、胃がんの進行を加速させるという研究結果が報告されたぞ。

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 強いストレスを感じると、心臓がドキドキと強く打って血圧が上昇したり、食欲が落ちたりすることがある。頭の中が真っ白になるということも多い。ストレスを受けると分泌されるホルモンが、心拍数の増加などを起こしているのだ。ホルモンは神経細胞で産生されるのだが、神経細胞は脳だけでなく、全身に分布している。とくに胃腸には1億個以上の神経細胞が存在しており、胃腸の働きや消化ホルモンの分泌を調節している。ストレスで胃が痛くなるのは、胃に神経細胞が多いためだといえる。
 胃がんと神経細胞については、関連していることが示唆されていた。顔のシワ取りなどに使用するボツリヌス毒素を胃に投与すると、ボツリヌス毒素の神経毒により神経細胞は麻痺してしまう。それと合わせて、がん細胞の増殖が抑えられることが確認されている。しかし、どうしてそうなるのかは判明されていなかった。それが、東京大学医学部附属病院の医師らの研究により、そのメカニズムが解明されたのである。
 胃に多数ある神経細胞から、アセチルコリンという物質が産生されることがわかった。このアセチルコリンは、胃がんのがん細胞に働きかけ、神経成長因子というホルモンを分泌させる。このホルモンは、フェロモンのように神経細胞を引き付ける作用があり、神経細胞がどんどん集まってくる。どんどん集まった神経細胞が、またアセチルコリンを産生して……という循環ができる。そして、問題なのは、このアセチルコリンは、細胞分裂を促進する作用があるということ。つまり、がん細胞もアセチルコリンによって分裂が促進される。胃がんの進行を促進させてしまうということが確認されたのだ。
 この研究結果によって、胃がんの治療に対しては抗がん剤だけでなく、ボツリヌス毒素のような神経の働きを麻痺させる薬剤を併用することで、がん細胞の増殖をより強固に抑制できる可能性が示唆された。研究者らは、併用効果をすぐにでも検証すべきとの考えを示している。

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