「プラセンタ」といえば、日本では美容目的で飲まれることが多い。プラセンタ=胎盤だが、日本で使用されるプラセンタは主にブタ由来のものとなる。しかし、海外とくにアメリカでは、妊婦が鉄分補給の目的で、ヒト由来のプラセンタを服用することが流行っているらしい。
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プラセンタには豊富な鉄分が含まれている。なので、日本でも「プラセンタは貧血の解消にも効果」が期待できるとされている。妊婦にとっては葉酸と並んで摂取が必要な栄養素だが、ネバダ州立大学ラスベガス校(UNLV)の研究者らは、鉄分を補給するという意味では、プラセンタの有効性は確認できなかったとしている。
UNLVが行った研究では、妊娠中の女性23人を、プラセンタグループとプラセボグループに分け、出産の直前と直後、および産後約1週間後と3週間後に血液検査を行った。プラセンタグループは3週間毎日、プラセンタを服用した。研究の結果、3週間にわたって、両グループ間で体内の鉄分量に差がないことが明らかになった。つまり、鉄分補給という意味では、プラセンタを服用するメリットはないことが示されたことになる。
ヒト由来のプラセンタは、日本では医療用医薬品の成分となっており、サプリメントなどの形で服用することはできない。ただ、個人輸入で海外から取り寄せて服用している女性はいるかもしれない。もし、鉄分補給のためにプラセンタを服用しているのなら、他の鉄分補給用サプリメントに切り替えたほうがよさそうだ。
ちなみに、医療用医薬品として使用されているヒト由来プラセンタは、慢性肝疾患や更年期障害、乳汁分泌不全の治療薬となっている。なお、ヒト由来プラセンタの注射剤を受けた人は、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)リスクを完全には排除できないことから、献血ができなくなるということを付け加えておきたい。
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